Q.建物の耐震性を判断するためには、どのような指標を見る必要がありますか？

山内 和重 宅建士,FP1級,CFP®️,公認 不動産コンサルティングマスター

不動産コンサルタント | 新潟県

そばーうどんさん、はじめまして。

比較的最近建てられたマンションであれば、品確法の耐震等級をとっているケースが多いと思いますので、そちらを指標にすることができます。

しかし、中古マンションを購入すす場合には、品確法の耐震等級などがないケースがほとんどです。

では、第一段階で、どのようなことを考慮して判断すべきかお答えします。

私の場合、まず耐震性を判断する基準として、まずは建てられた年を確認するようにしています。

その基準となる年は、1981年と2007年です。

まず、建てられた時期が、1981年（昭和56年）6月1日より、以前なのか以後なのかで、耐震性については大雑把な判断がつきます。
なぜかというと、昭和56年6月1日に大幅な建築基準法の改正があり、建築確認申請における耐震性の基準が大変厳しくなりました。
一般的に、昭和56年6月1日以前の建物は「旧耐震基準」、それ以後の建物は「新耐震基準」として区別します。
「旧耐震基準」では震度5レベルの地震に耐えられるものであればOKでしたが、「新耐震基準」では震度7クラスの地震に耐えられるものを要求されています。

その次の基準として、建築された時期が、2007年（平成19年）以降かどうかです。
2005年に起きた姉歯事件（建築確認申請の耐震性を偽造した事件）をきっかけに、2017年に確認申請がの手続きを厳格にするように建築基準法が改正され、建築確認申請の偽装ができなくなりました。
一部の悪徳業者が手抜き工事をすることができなくなり、消費者にとっては安心できる材料が増えました。

結論から言うと、2007年以降の物件であれば、まず、耐震性は問題ないと判断していいと思います。
1981年以降の物件については、確認申請の偽造がなかったか、施工業者による手抜き工事がなかったかなど、少し調査が必要かもしれません。

以上、参考にしていただければ幸いです。